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2019/10/10 今月の精油「ニアウリシネオール」
いつの間にか陽が落ちるのが早くなり、秋の訪れを感じるこの頃。気温や気圧の変化が激しい秋は、気管を刺激して呼吸器系の不調を訴える人が多くなります。
台風が近づくと喘息がひどくなるという言い伝えもあるほどです。
そんな今月の精油は、呼吸を深めてくれるニアウリシネオールについてです。
古くはフランスの医療現場で殺菌消毒として使用
かつてはフランス領であったニューカレドニアを代表するニアウリは、殺菌・消毒作用に優れていて、ニアウリが生息する地域は空気が清涼で、インフルエンザやマラリアなどの感染症が少ないとされています。
ヨーロッパには、イギリスの海洋家キャプテンクックによってもたらせられたといわれるニアウリですが、古くはフランスの医療現場で殺菌消毒剤として使われていました。
ニアウリの成分 シネオールとネロリドールの違い
ニアウリは生育環境などで成分や香りが異なるケモタイプ(化学種)があり、シネオールとネロリドールに分けられます。1.8シネオールが主成分のニアウリシネオールには、抗菌・抗炎症・去痰作用など冬に役立つ作用を持つ、ユーカリに似た清々しい香りの精油です。
一方、ネロリドールが主成分のニアウリネロリドールは、爽やかさの中にフローラル系の香りを感じさせMelaleuca種の中では最も良い香りといわれます。効果は、ニアウリシネオール同様に感染症に有効ですが、男性ホルモン様の作用を持つともいわれ使用には注意が必要です。
アロマテラピーでは、使い勝手の良いニアウリシネオールが一般的です。
クリアな香りで散漫になりがちな思考をすっきり
スーッとした香りのニアウリは、ちょっと行き詰まりを感じてしまった時などに使うと頭をクリアにして冷静さを取り戻してくれます。夜間の使用は、覚醒して寝つきを悪くしてしまう場合があるので、使用する場合は低濃度での使用をお奨めします。
おとなニキビや虫刺されにも
優れた殺菌作用を持つニアウリは、ニキビや虫刺されにも役立ちます。オイリーヘアや頭皮ケア・フケにもおススメでシャンプーに数滴混ぜて使うと便利です。
呼吸を深めてくれるフトモモ科の香りたち
ティートリー・カユプテ・ユーカリといった同じフトモモ科のニアウリ。フトモモ科の精油は、去痰作用・抗カタル・抗アレルギーにも優れていてどれも乾燥の季節に呼吸を深めてくれる役割を果たしてくれます。気候が不安定な初秋の呼吸器系のトラブルに役立ちます。
作用が似ているティートリーやユーカリとの使い分け術
ニアウリの近親種であるティートリーやユーカリとはどう違うの?とよく聞かれます。効果効能も非常によく似ている精油ですが、香りはそれぞれ微妙に異なります。カンファーのツーンとした香りを軸に持ちながら、いちばん穏やかでやさしい香りがニアウリシネオールです。どちらかというと男性的なフトモモ科の精油ですが、子供や強い香りが得意でない人は、入門編としてニアウリシネオールから始めてみると良いでしょう。あまり表には出てこない精油ですがとても使いやすい呼吸器レスキューアロマです。
風邪などの感染症のかかりはじめに
抗炎症・去痰作用をもつニアウリは、免疫力を高めて体力を上げ病気のかかり始めに使うと効果的です。ユーカリなどよりも作用が穏やかな為に、子供の呼吸器系のトラブルによく使われています。
喉すっきりニアウリアロマ吸入術!
喉の奥から肺まできれいにするように鼻から吸い込みましょう。
【材料】ニアウリシネオール精油1~2滴
【使い方】ハンカチやティッシュにニアウリシネオールを1滴垂らす。ハンカチやティッシュから立つ香りを鼻から吸入する。
オーストラリアやニューカレドニアでは、古くから民間薬として使われてきたニアウリ。刺激が少なく穏やかに作用する為、子供から使用できる精油です。気管を刺激されやすいこの季節の呼吸器対策にいかがでしょうか?